米国雇用統計センター

雇用の強さ、失業状態、賃金インフレ、労働時間、および市場への波及効果をまとめて把握できるダッシュボードです。

📢 次回の米国雇用統計発表

米国雇用統計

対象期間: 7月期

主要雇用指標サマリー

Nonfarm Payrolls (MoM)

就業者数 前月差

-17千人

Latest: 2026-06-01

Payrolls 3-Month Average

雇用増減 3ヶ月平均

+121千人

ノイズを排した雇用の底流

Unemployment Rate

公式失業率 (U-3)

4.2%

Latest: 2026-06-01

U-6 Unemployment Rate

広義の失業率 (U-6)

7.9%

Latest: 2026-06-01

Participation Rate

労働力参加の割合

61.5%

Latest: 2026-06-01

Average Hourly Earnings (YoY)

平均時給 前年比

+3.5%

Latest: 2026-06-01

Average Weekly Hours

週平均労働時間・全体

34.3時間

Latest: 2026-06-01

Jobless Claims (4-Wk MA)

新規失業保険 4週移動平均

202千件

Latest Date: 2026-07-25

JOLTS Job Openings

求人需要の総数

7.59百万人

Latest: 2026-05-01

雇用の量 (非農業部門雇用者数)

非農業部門雇用者数(PAYEMS)は、前月と比較して米国全体で何人の雇用が増えたかを表す最重要指標です。単月値のブレが激しいため、3ヶ月移動平均(折れ線)を合わせて追うことで、一時的なノイズを排除した正確なトレンドを捉えることができます。

失業の状態 (失業率 & U-6失業率)

公式失業率(UNRATE)の低下が本物か、求職活動を断念した人(非労働力人口)の退出による「見かけ上の改善」でないかを確認するため、労働参加率(CIVPART)を同時に比較します。また、不完全雇用者も含めた広義のU-6失業率とのスプレッド(乖離)が拡大していないかを確認することで、労働市場のリアルなストレスを捉えます。

労働供給 (労働参加率)

労働参加率(CIVPART)は働く意欲のある大人の割合を示し、労働の供給力を測る鍵となります。景気が良くなると求職諦め者が市場に戻るため、労働参加率が上昇します。参加率が上がると人手不足(労働逼迫)が和らぎ、賃金インフレが抑制される効果があります。

賃金インフレ (平均時給)

平均時給(CES0500000003)の前年比伸び率は、サービス価格や生活費のインフレを予測する上でFRBが強く重視します。賃金の伸びが物価インフレ(CPI)を上回っている間は実質購買力が上がりますが、賃金コストが製品やサービスへ転嫁される「賃金・物価スパイラル」を招き、利下げが遠のく要因となります。

労働時間 (平均週労働時間 & 製造業)

平均週労働時間は、企業が労働力を調整する最初の手段です。企業は、業績が揺らぐと人員を削減する前にまず残業時間を削ったり操業時間を短縮します。そのため、労働時間(特に景気に敏感な製造業平均週労働時間 AWHMAN)の減少トレンドは、景気悪化や雇用者数減少に先行して起きる兆候として注目されます。

先行・関連需要 (JOLTS求人 & 新規失業保険申請)

JOLTS求人件数(JTSJOL)は企業側の求人需要(労働需要の強さ)を表し、新規失業保険申請件数(ICSA)はリストラのペース(労働供給の切り捨て)を週次で素早く察知する指標です。求人件数が高水準で失業保険申請が低いほど労働市場は逼迫しており、これが崩れ始めると雇用悪化のサインとなります。

JOLTS求人件数

新規失業保険申請件数と4週移動平均

発表タイミング別の監視指標

⏮️ 1. 発表前に見る先行・補助指標

ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、JOLTS求人件数、ISM雇用指数などを確認します。これらは政府発表の数日前に公開されるため、市場予測のヒントになります。

🎯 2. 発表時 (金曜日) に見る3点セット

非農業部門雇用者数(雇用の量)、失業率(雇用のたるみ)、平均時給(賃金インフレ)の3点を同時にチェックします。ヘッドラインだけでなく中身の分析が極めて重要です。

⏭️ 3. 発表直後〜数日内に反応する市場

金利市場(米2年・10年金利)、為替市場(ドル円・ドル指数)、株式市場(S&P500・NASDAQ)を確認します。強い結果でも利下げ期待が後退して株安になるなど、局面に応じた反応パターンがあります。

💡市場反応シナリオの例

雇用が強い場合雇用強・賃金上昇 ➔ 利下げ期待後退 ➔ 米金利上昇 ➔ ドル高・株安(インフレ局面での典型例)
雇用が弱い場合雇用弱・賃金鈍化 ➔ 利下げ期待高まる ➔ 米金利低下 ➔ ドル安・株高(景気後退懸念が強すぎない場合)
雇用統計は『景気の強さ』と『利下げ見通し』の両面から市場を動かす、月次で最も注目される経済指標の流れです。

経済指標を学ぶ・初心者向け教育パネル

1. 失業率を誤解しない

失業率は「仕事をしていない人すべて」の割合ではありません。仕事がなく、働く意思があり、実際に仕事を探している人が失業者として数えられます。仕事探しをやめた人は、失業者ではなく労働力人口の外に分類されるため、失業率だけでは労働市場を誤解することがあります。そのため、労働参加率やU-6失業率とセットで見る必要があります。

2. 非農業部門雇用者数だけで判断しない

雇用者数が増えていても、失業率、労働参加率、平均時給、労働時間を合わせて見ないと、労働市場の本当の強さはわかりません。単月でのブレを見極めるため、3ヶ月平均などの移動平均でトレンドを追うことも有効です。

3. 雇用が強いのに株価が下がることがある理由

雇用が強いと景気にはプラスですが、賃金上昇や消費の強さからインフレが下がりにくいと見られる場合、FRBの利下げ期待が後退し、金利が上昇して株価の重荷になることがあります。ただし市場の反応はその時の局面(高インフレか、景気後退か)によって変化します。

4. 債券価格と利回りの関係

金利(利回り)が上がると、既存の固定利回り債券の価値は下がるため、債券価格は下がります。逆に、金利が下がると、既存債券の価値が上がるため債券価格は上昇します。つまり、債券価格と利回りは常に逆方向に動きます。

5. ADP雇用統計は参考材料

ADP雇用統計は、公式の政府雇用統計の数日前に民間企業から発表される先行データとして注目されます。しかし、算出手法や対象サンプルの違いから、公式の非農業部門雇用者数(PAYEMS)と乖離することが多く、完全な予測としてではなく、あくまで参考材料の1つとして扱います。

免責事項:当雇用統計センターに掲載している情報は、マクロ経済の仕組みについて視覚的に学び、理解を深めることを目的として提供されています。特定の有価証券や為替、投資信託等の売買を推奨するものではなく、いかなる投資助言または取引の勧誘を行うものでもありません。データは外部機関(FRED等)の情報をもとに構成されていますが、遅延や改定履歴を反映しきれていない場合があります。